ただのWebサイトではない。
それは、「あなたの願いがどこに向かうのか」を確かめるための、静かな装置。
はじめに:まだ見ぬ「わたし」が、ここにいる気がした。
Webサイトをつくろうと思った。
でもそれは、ただのポートフォリオでも、実績紹介でも、サービス案内でもなかった。
ぼくがつくりたかったのは、「思想が構造になるプロセスそのもの」──
まだ言葉にも形にもなっていない願いを、触れられるかたちにするための、静かな装置だった。
その問いの中心にあったのは、たったひとつ。
願いは、本当に構造で届くのか?
なぜ、この場所が必要だったのか
ぼくは普段、Web制作会社の代表として、言葉と構造をつなぐ仕事をしている。
クライアントの想いやサービスを、届けるべき相手にきちんと届くように、構造として設計する。
けれど──
あるとき、ふと思ったんだ。
「本当に願いを扱いたいなら、それはもっと曖昧で、もっと個人的で、もっと遅くていいはずだ」って。
チームでは難しい速度と温度。
会社では扱えない、言葉にならない感覚。
そして、“成果”では測れない問い。
そうしたすべてを抱えられる別の空間として、KunioPressという場所を、ひとりで開いた。
未来は、まだ触れられないものじゃない
ぼくが信じていることがある。
未来は、体験できる。
たとえまだ実現していなくても。
たとえ言葉になっていなくても。
名前すらついていない願いを、構造や感覚をとおして「感じる」ことはできる。
それは、未来を先取りするような体験であり、「未来体感デザイン」というぼくの思想の出発点になった。
KunioPressは、その思想を実験的に組み上げていくための構造体だ。
ページの順序すら、思想である
このWebサイトは、単なる情報の羅列ではなく、*「願いを言葉にする旅の構造」として設計している。
- TOPページ──まだ見ぬ「わたし」との邂逅
- 未来の思想を、設計する──問いが立ち上がる場
- 未来体験デザイン──思想を構造に変換していく工程
- わたしという構造──この思想が生まれた背景
- ご一緒できること──その願いを、共に確かめてみるために
順序に意味がある。
読み手がどこで呼吸し、どのページで言葉に触れ、どんな気持ちで離れていくかまでを想定して、全体を設計した。
なぜ、ひとりでつくるのか?
このプロジェクトは、企画から構成、執筆、設計、開発、実装にいたるまですべてひとりで手を動かしている。
ひとりでつくる理由。
それは、「思想に濁りのない構造」をつくるため。
チームでやった方が早いし、効率もいい。
でも、願いの輪郭に触れるには、どうしても“最後の余白”をひとりで引き受けなければならなかった。
自分の手で、確かめながら組む。
思想が宿る構造は、そういう静かな場所にしか生まれないと思う。
書くことで、未来が生まれる
この実践を通して、ぼくは確信している。
書くことは、未来のプロトタイプになりうる。
Webは、ただの情報媒体ではない。
SNSや動画のように一瞬で消費されるものでもない。
**沈黙と選択、構造と余白が共存する「関係性の装置」だ。
この場所が誰かにとって、
自分の願いの輪郭を、そっと確かめられる場になれたら──
それ以上、望むことはない。
この装置は、まだ完成していない
KunioPressは、まだ完成していない。
でも、完成しないことがこの装置の本質かもしれない。
願いとは、未完の構造だ。
だからこそ、わたしたちはそれに向き合い続けられる。
あなたにも、「言葉にならない願い」があるなら──
この場所で、そっと触れてみてください。